真脇遺跡では中期の貼床住居跡が見つかっています。1983年の調査では2,3,4号住居と名づけられた3棟の住居跡が見つかっており、その後、近年の調査ではこの3棟以外に周辺にも貼り床住居が存在することが確認されています。
縄文時代の住居と聞くと真っ先に「竪穴住居」が思い出されますが、真脇の貼床住居には竪穴住居のような地面の掘りこみは見つかっておらず,平地式住居が作られたと考えられています。
発見された住居はいずれも床一面に凝灰岩質の粘土が敷き詰められており、これによって湿気などを防いでいたようです。この粘土は空気に触れると黄色くなる性質の粘土で、床面が黄色く一目でそれとわかります。板敷土壙墓の調査でこれらの住居が建てられた頃に大規模な整地が行われたことがわかっていますが、その整地にもこの粘土は使われていました。
なかでも3号住居は非常に特殊な住居として注目されています。直径約6.5mほどの円形プランで中央やや東よりに石囲炉が作られています。この炉は何度も作り変えられていますが、そのたびに前の炉は壊されること無く埋められており、現在全部で6つの炉が確認されています。6つの炉のうち古いほうの4つには内面に割った土器が敷き詰められていました。土器を敷く炉は石川や富山だけでなく岐阜や愛知、北では青森にまで認められていますが、「同じ住居内に何度も炉を作った」うえに、「それを壊さず埋め」ていて、かつ「そのほとんどに土器が敷かれている」というのものは真脇のこの住居跡しか見つかっていません。炉だけではなく住居の床面も、粘土が何層にも重なっており、何回かの貼り替えがあることがわかります。この場所にこだわって何度も床を貼ったり炉を作り替えたりしていることから、何か特別な建物だった可能性もあります。また、各炉跡に敷かれていた土器には明らかに時間差がありますので、土器編年の研究には貴重な資料となります。
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